民営化に関する保護者説明会

2016年10月30日10時〜、民営化に関する説明会が保育園のホールで行われました。

まず入り口ではどの園児の保護者が何名参加するのかなど厳密に出欠を取られ、関係者以外はきてくれるなよといった雰囲気が満載でした。

いざホールに入ってみると、正面にズラリとパイプ椅子が並び、区の職員の方9名が重々しく着席されていました。区から説明にくるのは3人くらいかと思っていたら9人!そして空気が重い!

保護者はどこに座るのかしらと思うと、なんと私たちには椅子もなく、区の職員の方々用に用意された机を挟んで床に直接座り、職員の方を下から見上げる形式でした。悪気はないと思いますが、配慮不足を感じました。

 

そして説明会開始です。3つの内容(①移転及び民営化について②スケジュールについて③保護者代表の選出)について1時間で話すというスケジュールに、どう考えても短すぎるだろうと思いながら臨みましたが…、やはり1時間では足りず、4時間かかりました。結果から言うと、とにかく実際の現場のことを知らないまま、数字上辻褄があえばいいや、あとは事業者に任せます感が満載な上、はっきりしない説明をひたすら繰り返す説明会でした。

そんな中唯一はっきりしたことは、「上井草保育園は移転する」のではなく、「上井草保育園は廃園となり、私たちは民間の事業者による新設園に転園となる」とのことでした。

これまで何度も保育課に問い合わせ、担当の方からも「移転はするが上井草保育園は存続する」という回答をもらっていました。しかしそれは、上井草保育園の保育を事業者に継承してもらうつもりなので、上井草保育園は存続するという考えに基づいた回答だったようです。

保護者からすると、それは「存続する」とは言わないんですが…??

これまで一度も「廃園」という言葉を出してこなかった区側ですが、約4時間に及んだ説明会の最後の最後で初めて「民営化イコール廃園になります」と認めました。

 

その他、説明会の内容とは関係ないですが、いくつか気になった点をご紹介します。
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〈事前に集めた質問への回答〉

・回答を紙で用意するわけでもなく30分程延々と喋り続ける。

区側からしたら、「誠意をつくして説明した」ことにするのかもしれませんが、早口でボソボソととめどなく喋り続けるので、何を言っているのか全く伝わりませんでした…。
他にも終始マスクをつけたまま話す担当の方もいて、かなり聞き取りにくかったです。

元々1時間のスケジュールだったのに、そのうちの30分を事前に集めた質問への回答に使うこと自体、説明会の時間をどう使うか、その場で何を話さなければいけないのかを全く意識していないんだなと感じました。

〈質疑応答〉

・そろそろ終わりの時間が近づいてきたからと、その時点で質問があると手を上げている人に番号札を渡し、それ以外の質問は受け付けない姿勢を見せる。

質問に対する回答が曖昧なので追加の質問が次々出てくる中、質問に答えることを優先するのではなく時間で区切ろうとしたことに驚きました。保護者からの抗議により、番号札は不採用となりましたが…。
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区では今後も民営化を進める方針と言っているので、またどこかの保育園でこのような説明会が行われると思います。その時にこんな不毛なやり取りが2度と行われないよう、区側は質問への回答を事前に作成して配布するなど今回の上井草での反省を活かして欲しいです。

 

自分の子供が通う園が民営化対象になったら?

このブログでは上井草保育園の民営化方針決定の通達後に起こったことを順次書いていますが、今日はちょっと先週の出来事を書きたいと思います。

1月27日、「区立保育園の民営化計画について」というペラ紙が配布されました。

内容は、

  • 待機児童解消のために保育定員を毎年1000人単位で確保していく
  • 安定した保育事業を継続していくために、経費を工夫する必要があるから民営化を進める
  • どことはまだ決めてないけど、今いる/入所希望の園が平成31年の民営化対象園になるかもしれないので了承ください

です。

今後民営化となる園が出てきて保護者からの反対があったときに「事前にお知らせしましたよね?了承の上在園してるんですよね?」と言うための布石なのでしょうか…。


そして平成31年は結構すぐですが、対象園はいつ決まるのか?私たち上井草保育園の保護者は民営化の一年半前という非常に短い期間で知らされ、充分な時間もないまま平日の夜や休日を使い自分達で情報を集めて考えていくことを余儀なくされています。もしかしたらまた保護者に対し同じことが繰り返すされるのでしょうか…。

このお知らせ、パッと見ると、待機児童解消の為なら民営化も仕方がない…と思うかもしれません。

でもここで、分かりましたと受け入れるには、少なくとも今の区の考え方ではあまりにも不安が大きいです。

安定した保育事業を継続するために〜と言っていますが、子供達にとっての「安定」に関わることついては「事業者が責任を持って対応します」という丸投げの姿勢です。

民営化したら区はノータッチなのか?と聞くと、「いやいや、区もちゃんと定期的に事業者の園を見に行ってチェックしてますよ!事前に連絡した上で訪問してます。( ・`ω・´)キリッ」のように、えぇ!?それ意味なくない?と思うようなことも、普通に回答してきます。

 

これが私たちに見えている今の区のやり方、考え方のほんの一部です。このような状態で区の保育の質の基準となっていた公立園の1つで民営化を進めています。もしかしたら今後、区の考え方も対応も変わっていくのかもしれません。でも今の状況はこんな感じです。

待機児童解消が重要だということはもちろん認識しています。
ただ、このままだと将来的には待機児童が逆に増えてしまうことも考えられます。(極端な話ですが…)

以下、極端な話の例です。
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外面はいいが、実際の保育は杜撰な事業者に決定(保育の質は選定時にノーチェックだったため)

  1. 待機児童問題は解消したものの子供への安定した保育は考慮されないままどんどん民営化が進む
  2. 杜撰な業者ばかりになり、中には廃園になるところも
  3. だんだんと保育園が減り、区の掲げる「安定した保育事業の継続」もできなくなる
  4. 待機児童が増える

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民営化対象となる園が今後また出てくる計画のようですが、例えその時に「待機児童解消の為なんです」や「事前にお伝えしましたよね?」と言われたとしても、そのまま受け入れるのではなく、区の保育に対する考え方や、どのように民営化を進めようとしているのか、民営化した後も自分達の子供は安心安全な保育が受けられる仕組み作りがされているのかなど、確認することが重要です。

 

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民営化に関する説明会

2016年10月13日、保育園のウォールポケットに一枚のお知らせが入っていました。上井草保育園民営化についての説明会の案内です。

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日時 平成28年10月30日 11時〜12時
内容 1 移転及び民営化について
2 スケジュールについて
3 選定委員会委員(保護者代表)の選出
質問がある場合は事前に出欠票とともに提出

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やっと説明会の案内がきたか〜と思ったものの、その内容がもうつっこみどころ満載です。

  • 本当に保護者にきちんと説明&話し合いをする気があるならば1時間はとても足りない。
  • 選定委員会って何?何するの?など何もわからないのに保護者代表を決めるつもりとは…。

今回、質問がある場合は出欠票の下に設けられた質問欄に記入して提出とのことでした。事前に質問を集めるのはお互いの時間を有効に使うためにも良いと思うのですが質問欄を見てまたびっくり!

 

…狭っ!!

 

こちらは質問したいことが盛り沢山なんですが??…そんなに質問はないだろうという前提で作られたとしか思えない質問欄にガックリしました。_| ̄|○

 

何はともあれ、ペラ紙一枚の通達→説明会開催 と、少し話が進んだといえば進んでいますが…。

 

保護者への説明会案内が配られた同日、保育園移転先用地の自治体役員の方々への説明会が行われる予定という情報も入手しました。
説明会の日は5日後の10月18日とのこと。
保育課からはそのような説明会が行われるという情報は一切出てきていません。

ん?18日?保護者への説明会は30日で自治会の方々への説明会は18日?

 

多くの保護者が疑問や不安を感じている中、なぜ在園児の保護者への説明よりも移転先の自治会の方々への説明が先なのか?説明会をするならなぜその情報を私達にも公開してくれないのか?など、保育課のやり方に対し疑問が次々と湧いてきました。

 

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つづく

 

 

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イベント時系列
2016年9月

12日 民営化方針決定の通達
18日 初めてのクラス飲み

25日 他のクラスとの情報共有
26日 全クラスに署名用紙配布
29日 署名締め切り
30日 パブリックコメント締切日

2016年10月

12日 陳情書提出

13日 説明会に関する案内あり

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民営化についてどう思いますか?

民営化について各保護者がどう思っているのか、どんな意見を持っているのかを知りたいと思い、webアンケートを実施しました。

皆さん多忙な中、短い期限でお願いしたにも関わらず、全体の7割を超える方からの回答をいただきました。民営化された場合、その影響を受ける年齢に絞ると8割を超える方からの回答があり、関心の高さが伺えます。

ここでアンケート結果やいただいたご意見を一部抜粋してご紹介します。

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1. 上井草保育園の民営化をどのように考えていますか?

賛成2%
反対80%
どちらでもない18%

2. 賛成/反対/どちらでもないと答えた理由は何ですか?
〈賛成の理由〉

  • 区の財政削減に賛同しているから
  • 待機児童となってしまった不安を知っているので苦渋の選択

〈反対の理由〉

  • 200人の大規模保育園で今の保育の質が守れるのか、子供をケアできるのか不安。
  • 新設で200人規模という前例がないため、事故や混乱が起こる可能性が高い。
  • 開園まで短いスケジュールで進められているので、事業者がスタッフの教育に十分な時間と費用をかけられないのでは。
  • 私立保育園の中には離職率が高いところもあり、そのような事業者になると成熟した保育が望めないから。
  • 各地での保育士不足&区で29年度に開設予定の新規保育園(多数)のために保育士が採用された後の30年度開設園に、経験豊富な保育士を充分な数採用できると思えない。
  • 老朽化による移転の可能性についてはかなり前から説明があったが、民営化については計画や議論の段階での説明が全くなかった。そもそも民営化しなくてはならない理由が説明されておらず分からない。

〈どちらでもないの理由〉

  • 民営の園でも良い保育をしているところがあるので、一概にはどちらともいえない。
  • 待機児童問題を考えると保育園に入園できなくて困っている人もいると思うから。ただ、近所に民設の保育園を建設中なのにまたさらに民営化の保育園を建設する必要があるのかとも思う。

3. 上井草保育園の存続を求める会の陳情に賛同しますか?

賛同する92%
賛同しない8%

4. その他、民営化に対するご意見など

  • 保育園民営化についてだけでなく、民意を無視した政策の推進に強い憤りを覚える。
  • 老朽化による移転、民営化は仕方ないと思うが、詳細な説明の実施や希望者の優先転園の実施など民営化を希望しない人にも選択肢を作ってほしい。
  • 区が自信を持って200名規模の保育園を安全に運営できると考えているのか疑問に思う。

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など、上記意見は本当にごくごく一部で、実際はここには書ききれないほど沢山の意見が寄せられました。意見だけでもA4サイズの紙にびっしり書いても7枚以上の量です。

改めて、多くの保護者が民営化に対して不安な気持ちや疑問を持っていることが分かりました。

 

つづく

 

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イベント時系列
2016年9月

12日 民営化方針決定の通達

18日 初めてのクラス飲み

25日 他のクラスとの情報共有
26日 全クラスに署名用紙配布
29日 署名締め切り
30日 パブリックコメント締切日

2016年10月

12日 陳情書提出
13日 保護者へのアンケート実施

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陳情書提出

2016年10月12日、区議会に陳情書を提出しました。

区民の代表として区政に参加している議員さんに、区が上井草保育園の民営化をどれだけ強引に進めているかを知ってもらい、計画を見直すよう区に働きかけてもらいたいと思いました。

ちなみに、区議会とはどういった役割なのか、どのような仕事をしているのかは杉並区のHPに記載があります。

杉並区議会|杉並区公式ホームページ

区議会の役割
私たちが生活している杉並区を、安心して心豊かに過ごせるまちにしていくためには、区が行う身近な仕事のことを、そこに住む皆さんが自分たちで考え、自分たちで実行していくことが大切です。これを地方自治といい、民主主義のもっとも基本的な考え方です。
しかし、区民全員が区政に直接参加することは困難ですので、代表を選挙で選び、その代表が集まって、区の予算やきまり(条例)を決め(議決)ています。

 

区政のチェック(区議会の仕事より一部抜粋)

区の仕事が正しく行われているかを調査し、報告を求めることができます(調査権)。また、区の仕事の進め方や金銭の出し入れを検査したり(検査権)、監査委員に監査を請求し(監査請求権)、実情を調べて報告してもらいます(説明要求、意見陳述権)。

 

陳情書を出すと、まず「担当委員会」というところに預けられ、議題として採択するか審議されます。そこで採択されれば保育園などを担当する「保健福祉委員会」での議題の1つとして陳情内容が取り上げられ、話し合いが行われる、という流れで進められます。
委員会のスケジュールから、議題として採択されても、1番早くても話し合いが行われるのは11月下旬とのこと…。

今回の上井草保育園民営化のスケジュールのように、区から強引に急なスケジュールを突きつけられた場合、陳情書を提出してから議題になるまでに1ヶ月以上かかるというのはかなり厳しいなと感じました。

議題として採択されるかどうかの結果は、後日電話で伝えられるとのことでした。


つづく

 

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イベント時系列
2016年9月

12日 民営化方針決定の通達
18日 初めてのクラス飲み

25日 他のクラスとの情報共有
26日 全クラスに署名用紙配布
29日 署名締め切り
30日 パブリックコメント締切日

2016年10月

12日 陳情書提出

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「ご理解ください」

「ご理解ください」

この言葉、これまで保育課からの説明の中で数え切れないほど使われています。

理解できる、納得できることを説明してくれれば、私達だって理解するのですが、そういったことは何も説明せず、ただ「ご理解ください」を繰り返すだけです。
昨日ちょっと怒りを通り越して呆れるような「ご理解ください」があったのでご紹介します。

〈前提情報〉

  1. 民営化計画について見直しを求める陳情書を提出し、保健福祉委員会で審議されるも否決。否決ではあるが民営化の進め方には問題があるとして議会から区への「保護者との合意を形成しながら丁寧に進めること」との要望あり。区も「丁寧に進めます」と回答。
  2. 事業者を選定する選定委員を4人選出するように保育課から言われている。(選定委員は学識者や区の職員なども含めて形成される10人の組織です)

 

〈選定委員選出について〉

保育園の今後に関することですから、保護者全体で話し合うために12/4(日)に父母会総会を開催してまずはそこで情報を共有し、話し合いますと保育課に伝えたところ、、、

では選定委員会は12/5(月)に開催します!

とのこと。


保育園の総世帯数、約90です。その中でまずは区との窓口となる委員会を設置し、情報を共有し、意見をまとめるところからです。すぐにできることではありません。それなのに翌日開催とは、あまりにも一方的なものでした。

12/5(月)は難しいですということを伝えると、今度は「12/9(金)までに選定委員を出してください」と。

我々保護者は皆仕事を持っており、総会も日曜に開催しています。平日は皆バタバタしていて、LINEでのやり取りもままならない状態です。それなのに、金曜日までにとは…!!

 

つい先日、議会で「保護者との合意を形成しながら丁寧に進めること」と区議の方々から強く指摘され、「丁寧に進めます」といっていた保育課の対応とは思えません。どこに合意の形成があるのでしょうか。

総会で話し合った結果と12/9(金)までの選定委員選出も難しいことを区に伝え、私達は私達でなるべく早く保護者の意見をまとめるため、各クラスに代表を用意し、そこでクラスの意見をまとめてもらうことで話を進めていました。

 

しかし一昨日!保育園からの帰り際にふと掲示板を見ると、これまで見たことがない用紙が…。

「選定委員会の日程が決まりました。
12月20日 19時〜」

 

…んっ!?!?!?

これまでずっと保護者と区でやり取りしてきましたが、その流れをいきなり断ち切り、保育園に直接連絡してきたようです。

「ご理解ください」は本当に言葉だけで、理解してもらおうといったような気持ちはサラサラなく、とうとう保護者と向き合うこともしなくなったのかと本当にガッカリでした。

あまりにも強行なやり方に昨日抗議の電話をしたところ…

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  • 何度も選定委員の日程を変えて対応してます。もう20日に選定委員会を開催することは決まったので、ご理解ください。
  • 反対してるのは1人だけでしょう?
  • 色んな人から連絡がきて困ってるんです。
  • 選定委員を1人でもいいから出してください。誰が出ても区としてはその方を選定委員として扱うのでどう決めたとか関係ないですから。

_______________________________

 

開いた口が塞がらないとはこのことです。

確かに日程を変えたかもしれません。でもそれは保護者側のスケジュールやこちらの状況を全く考えない、非現実的なものです。ご理解くださいと言われても理解できるわけもなく、むしろご理解いただきたいのはこちらなのですが…。

反対しているのも1人だけではありません。区からの説明会でも多くの人が反対だったのを目の当たりにしてるはずなのに、何を言ってるんでしょう。

色んな人から連絡がくる件についても、自分たちがちゃんと対応していないことが原因とは考えないのでしょうか…。

 

そして選定委員についてです。選定委員はなった人への負担がかなり大きいです。平日の夜に委員として時間を費やさなくてはならないことももちろんですが、万が一選定委員で選んだ事業者により事故が起きてしまった場合などには委員の方の心労が大きなものとなります。そのため、簡単に出せるものではありません。他にも、保護者の意見をまとめて持って行って、選定の条件に盛り込んでもらうようなことも発生します。
そんな選定委員を、どう決めたとか関係ないからとりあえず出せというような姿勢には驚きました。「形だけ」保護者も選定に参加しているということにしたいのが見えすぎです。(怒)

繰り返しになりますが、これが「(保護者との合意を形成し)丁寧に進めます」といっていた区の姿勢なのかと思うと本当に呆れてしまいます。

有識者へのヒアリング②(保育園経営者さん編)

前回保育士さんに伺った話をご紹介しました。今回は保育園を経営されている側の方に、公立保育園の意義や事業者視点での保育事業参入などについてお話しいただいた内容をご紹介します。

お話を伺った方は、杉並区で私立の保育園を経営している社会福祉法人の理事の方です。保育園運営に長く従事されています。


Q1.公立の保育園が民営化されていくことについて
__________

  • 公立保育園は杉並の保育の水準となっている。
  • 公立保育園と社会福祉法人設立の私立保育園が長年協力しあって、杉並区の保育の質を守ってきた
  • 区立も私立も大事。公立園と私立園の格差を、レベルの良い方に引き上げるようにしてきた。
  • 現在、保育課で私立と公立の格差是正を進めているが、レベルの低い方に合わせる是正となっていると感じている

___________

杉並区は次々と民営化を進めようとしていますが、公立の保育園を廃園にして今後どのように保育の質を確保していくつもりなのか疑問に思いました。そもそも保育の質について考えているのかどうか…_| ̄|○

 

Q2.200人規模の大規模保育園について

大規模保育園への不安を相談すると、杉並区に唯一存在する200人超の規模の保育園についてお話ししてくださいました。
___________

  • “公立保育園よりも上質な保育を”という方針で長年運営されている。
  • 運営者が保育園の前身として福祉施設を長年運営しており、歴史もノウハウも厚みがある。
  • 私立保育園の園長たちの間では“あそこは別格”という認識。

_________

これまで保育課に対して大規模保育園となることへの不安を訴えてきていますが、その度に
杉並区には大規模保育園の実績もありますから大丈夫です。」と言われます。

歴史もノウハウもある保育園を引き合いに出して何を言ってるのでしょうか…。他の事業者も同じように出来ると思っているのでしょうか…。ますます不安になるばかりです。

 

Q3.他の区の状況は?

お隣の世田谷区の状況と杉並区を比較しながらお話ししてくださいました。
___________

  • 世田谷区は長年同じ方が保育課に勤め、保育行政ノウハウが課に蓄積されているが、杉並区は人事異動が多く、昔をよく知る人が保育課に全くいない
  • 世田谷区は私立保育園運営事業者に営利企業を起用しない方針だが、杉並区は昨今はほとんど営利企業を起用している。来年開設の新設園は、公募してもどこも1社しか手を挙げず全て採用された異常な状況
  • 杉並区の事業者選定委員について、昨今は開示されておらず、事業者選定プロセスが不明。

___________
公募しても1社しか手を挙げず、全て採用ってなんだかもう出来レースのようにしか思えません。

 

最後に、事業者側から見た保育事業参入についてお話しいただきました。

Q4.保育事業参入って?

私立園は区や都から補助金が出るそうです。ただ、営利企業の園は利益を上げることが目的なので、人件費が圧縮される傾向があるとのこと…。
お話を伺った方の園では、8割以上を人件費、残りは雑費や修繕積立金としていてカツカツの状態とのことでした。営利企業の園の中には、人件費として補助金の5割程度しか割かない所もあるそうです。 

 

  • 儲からない。

保育事業は儲からないそうです。
ではなぜ営利企業が参入してくるのでしょうか?
とある営利企業の担当者は、「儲からなくていいんです。先行投資です。」と答えたとそうです。例え保育事業が赤字でも、他の事業にそのノウハウが活かされ、会社全体で利益につながるのなら参入するとの考えかららしいです。確かに保育以外にも事業を展開しているような企業だとそういった考えもあるのかもしれませんが…。その企業が人件費にどれだけ割いているのか気になるところです。

 

  • 公募準備はかなり大変!

区の公募要件を加味して保育園の設計書を作成するため、最低でも1か月は必要とのことでした。
お話を伺った方の園では、保育士さんも加わって、定員に対して各クラスの構成を考え、それに基づいて配置を検討し、さらに異年齢クラスにするか同年齢クラスにするか、0歳の部屋がここなら入口はこのへんか、、、などといった細かいことを一つ一つ検討し、建築士とも相談しながら設計書を作成していったそうです。

現場の意見を取り入れて設計書を作成しているところに、子供のことを1番に考えてるんだなという姿勢を強く感じました。
(9月以降、子供に関わる事なのに全く子供のことを考えずの話ばかり聞いていたので余計に…(涙))